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PAC思考

「PAC思考」とは、Premlse(前提)、Assumption(仮定)、Conclusion(結論)の3項目に着目し、結論の妥当性をチェックすることで、思考の精度を高める思考法です。批判的思考を行うための具体的な思考法の1つとなります。

論理的な主張は、結論と前提が正しく結びついているものでしたが、その結論と前提の間に存在するのが仮定です。PAC思考はその仮定の正しさを疑い、主張の妥当性を確認するものです。前提や仮定を疑ったときに、その疑念を払しょくできないのであれば、仮定の立て方や結論を考え直す必要があります。問題の分析力を高められるほか、自身の構築した論理が正しいかどうか、相手の出している結論の背景に何があるのかを考えることで、建設的な議論ができるなどのメリットがあります。


ステップ1[テーマをPACに沿って分解する]
PAC思考で検証したいテーマ(主張)を設定します。左ページの例では新商品の販促の方向性における、現状の仮説を主張として設定しています。設定したテーマを前提(P)、仮定(A)、結論(C)にそれぞれ分解します。

ステップ2[仮定の正しさを確かめる]
PACの項目に分解できたら、まず仮定に注目し、その正しさを検証するための問いを投げかけます。左ページの図を例にすると、「地域性の高い商
品はエリア特化の媒体での広告効果が高い」という仮定は本当に正しいかを考えます。時代の変化で地域紙の読者数が落ち込み、この仮定が適用できないとわかれば、結論を修正する必要があります。

ステップ3[前提の正しさを確かめる]
前提としている情報が間違っていることは珍しくありません。完全に誤りではないにしても、個人の解釈によって美化されていて、判断材料として
不適切である場合があります。左ページの例に「これまで地域紙への広告出稿によって売上増を実現してきた」とありますが、本当に因果関係があるのかを客観的に見直してみる必要があるでしょう。もしこの主張をしている本人が当時の広告担当者だったら、自分の仕事をアピールしたい気持ちが入っている可能性があります。

仮定と仮説は異なる
「仮定」と「仮説」という言葉が登場していますが、これらは異なるものです。ここではI PAC思考によって検証する対象が仮説、その仮説を構成する結論と前提の間にあるのが仮定です。この仮定を疑うことで、仮説全体の正しさを検証します。