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水平思考

「水平思考」とは、論理的な正しさに縛られず柔軟に発想を広げる思考法です。第1章で紹介した論理的思考が連続的な縦の思考を行うことから「垂直思考」と呼ばれるのに対し、非連続で論理を横にズラすような思考を行うため、水平思考と呼ばれます。

垂直思考は合理的な結論を出せる一方で、既成概念やセオリーにとらわれて斬新な発想を生み出しにくいという弱点を持っています。それに対して水平思考では、「○○なら△△」という一般的な論理の正しさをあえて崩すことで、飛躍的な思考を行うことができます。

飛躍的で自由な発想をするため、新しいアイデアを考えるのに向いています。ただし、誰もが納得できるようなアイデアを発想するのには向いていません。実用化を考える段階では垂直思考(論理的思考)が不可欠で、双方をセットで活用できる力が必要になります。


❶[テーマを決める]
思考の対象(テーマ)を設定します。問題を解決するアイデアをテーマにする場合もあれば、解決したい問題そのものをテーマにする場合もあります。

❷[論理的に考える]
考える対象を設定したら、まずは論理的に考えてみます。暗黙の前提やセオリーとなっていることを言語化する作業といえます。左ページの例では、 ドライヤーに対して一般的な論理に沿って考えられることを書き出しています。このとき、不満や不便を感じている要素を可視化できると、より有効なアイデアを考えやすくなります。

❸[水平移動でギャップをつくる]
論理的に考えたアイデアをズラすような「水平移動」を行います。例のように、 ドライヤーは手で持つもの、という前提を崩してみることで、新しい発想の切り口が生まれます。水平移動の際には、正しいとされる既存の前提をいったん無視してみる、あるいは大胆に変えてみることが大切です。当たり前だと思っていることを意識化したうえで、その当たり前を疑い、問い直してみましょう。

❹[ギャップを埋める(連結する)]
水平移動したものをテーマに連結させるアイデアを考えます。水平移動させると既存のアイデアとの間にギャップができ、そのままでは実際に活用することが難しいので、そのギャップを埋める必要があるからです。例えば、手に持つ必要のないドライヤーを実現するにはどうすればよいかを考え、「ほどよい高さにドライヤーを固定するスタンドをつくる」「ドライヤーを当てるために動き回ってくれる国ボットを開発する」など、新しい発想の切り口を得ます。そこからは、活用可能なアイデアを論理的に考えることでアイデアを磨いていきます。