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類推思考

「類推思考」とは、異なる物事の間にある類似性に着目し、思考対象となる課題に応用する思考法です。似ている物事から発想のヒントを「借りる」考え方となります。

課題に対して、あらゆる物事から思考の材料を抽出して応用できる点が類推思考の魅力です。

過去の出来事や競合他社の取り組み、さらには日常的に行う料理や掃除などの行為、鳥や犬とい
った生物の持つ特徴など、様々な物事から思考を発展させることができます。

類推思考は抽象化と具体化の2つの段階で構成されます。最終的に目的とする思考領域を「ターゲット領域」、思考の材料を借りる先を「ベース領域」と呼びます。ベース領域の持つ性質を抽象化して、ターゲット領域へ具体的に落とし込んでいく、という流れで考えます。ここでは類推思考の考え方を5つのプロセスに分割して説明します。

❶[ターゲット領域を設定する]
新商品の企画や問題の解決策など、考えようとしている課題を設定します。左ページの例では、メガネの新商品アイデアを考えることをターゲット領域に設定しています。

❷[ベース領域を設定する]
ターゲット領域と類似性を持つような物事を探し、ベース領域として設定します。ベース領域を探す際、ターゲット領域の内容を分解しておくと考えやすくなります。メガネであれば、「視力という身体機能を補強する機能」や「身につけるツール」などへ分解します。そして、その分解した要素と共通点のある物事を探します。

❸[ベース領域の特徴を抽出する]
ベース領域の持つ構造や関係性、流れ、プロセス、制度などにおける特徴を抽出します。ターゲット領域よりも優れている点や先進的な点、インパクトのある点を探します。

❹[抽出した特徴を抽象化する]
ベース領域から抽出した特徴をほかの場面でも活用できるように、普遍的なポイントや理論、メカニズム、教訓として抽象化します。何が特徴的なのか(What)、その特徴はなぜ特徴的なのか(Why)を考えます。

❺[ターゲット領域に応用する]
抽象化したポイントや理論をターゲット領域に当てはめる方法を考えます。ここでは具体化や個別化を考えることになります。