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帰納的思考

「帰納的思考」とは、いくつかの具体的な物事(事象)の中から共通点を見つけ出し、普遍的な一般論を結論として導き出す思考法です。演繹的思考とは逆の流れをたどる思考法となります。

帰納的思考では、事象の中からどのように共通点を見出すか、そこからどのように結論を導き出すか、思考する側に想像力や知識、経験が求められます。難しさもありますが、その分、発想の幅に富んだ思考法です。

❶[サンプルを集める]
具体的な物事(事象)を観察して情報を収集します。帰納的思考は統計的な考え方であるため、基本的には収集するサンプルの数が多いほど、導き出される結論の妥当性は高くなります。

❷[一般化して結論を出す]
収集した情報の中から共通点を探します。帰納的思考においては、この共通点(一般化した情報)が結論となります。一般化するとは、「AとBとCに同じことがいえるなら、他のDやEも同じではないかつ」というょぅに、個別的な情報から全体に通ずる一般論を考えることです。左ページの例でいえば、「ラインナップが乏しい」「パッケージに特徴がない」「ネーミングがわかりづらい」という情報を得て、そこから「商品戦略に問題があるので見直すべき」という全般的な問題点として結論づけています。なお、導き出した結論(一般論)に当てはまらない事象が現れた際には結論が崩れるので、その際には修正しなければならない点に注意が必要です。また、無理な一般化をして誤った結論を出してしまわないよう意識しておくことも重要になります。

演繹と帰納の関係
演繹と帰納は論理的思考の基礎になるものであり、互いに補い合う関係にあります。演繹は―般論を具体化する役割を持っており、帰納は一般論の妥当性を検証する役割を持っています。ここで挙げた「商品戦略に問題がある」という例でも、AからCのほかにも商品の機能やデザインに関する問題もあるかもしれないと演繹的に考えることができます。ここに次項で紹介するアブダクション(仮説形成)の考え方が加わることにより、仮説検証のサイクルを回す流れができあがります。