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演繹的思考

「演繹的思考」とは、実際に見聞きした物事(事象)に対して、一般的なルールや理論などの「大前提」から結論を導き出す思考法です。例えば「すべての物体は落下する」という一般論が大前提として存在し、「りんごは物体である」という小前提(事象)があったとすると「りんごは落下する」という結論が導かれます。これが演繹的な思考の論理展開です。

演繹的思考は推論の一種であり、論理的な思考を実践するうえで必要不可欠です。

❶)[大前提を把握する]
演繹的思考の大前提となる情報をピックアップします。大前提には、―般的に正しいとされるような理論、ルール、セオリーなどが該当します。

❷[小前提を把握する]
具体的な物事を観察し、小前提となる情報を収集します。意識的に収集した情報が小前提になる場合もあれば、日々の業務の中で蓄積されるデータが小前提となる場合もあります。

❸[結論を導く]
大前提と小前提を関連づけ、結論を導き出します。演繹的思考はこのように、大前提の下に必然的な結論が導かれ、論証力が強い点が魅力です。一方、大前提に依存するため、前提が崩れると結論も崩壊するという注意点があります。大前提の選択が間違っていないか、大前提は本当に正しいのかを確認する意識を持っておくことが重要です。


推論とは
演繹的思考について理解するために「推論」の概念を押さえておきましょう。推論とは、既知の情報から未知の結論を導き出す、論理的な思考過程のことです。推論は「前提」と「結論」からなります。前提はあらかじめ与えられている情報や知識で、結論とは前提をもとに下される判断を意味します。これらは問題の設定や解決策の立案をしていくときに活用され、論理的思考の基礎になるものです。推論の代表的な方法論に、演繹的思考(演繹法)、帰納的思考(帰納法)、アブダクションがあります。