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批判的思考(クリティカル・シンキング)

「批判的思考(クリティカル・シンキング)」とは、健全な批判精神を持ちながら、物事を論理的に考える思考法です。論理的思考は「結論」と「根拠」を筋道立てて考えるものでした。それは問題解決の場面で必須ですが、前提を誤って設定したり、解釈を間違えたりすると効果を発揮しません。また、そもそもの問題設定を間違えていると、いくら論理的に考えたところで正しいアクションには至りません。

批判的思考には、このような論理的思考の注意点を補う機能があります。前提は正しいのか、結論と前提は本当につながっているかなど、客観的かつ批判的な目線で思考を行います。なお、ここでいう「批判」は単に否定するだけのネガティブなものではなく、より多面的に、建設的に物事を考えていこうとするためのポジティブなアプローチです。

❶ [論理を展開する]
前項の論理的思考の流れで論理を展開します。つまり、論点を決め、情報を集めて、そこから何がいえるかを考え、論点に対する結論を出します。

❷[論点を疑う]
❶で構築した論理を批判的に考えてみます。批判するというのは「本当にそうかつ」という視点を持って疑ってみるということです。そもそも設定した論点が間違っていると、いくら論理を構築しても意味がありません。この論点は本当に正しいのか?と疑うことで、考えようとしていることそのものの正しさを確認します。

❸[結論と根拠のつながりを疑う]
結論と根拠が「why so(なぜなら)」「So What(だから)」でつながっているか(論理が飛躍していないか)を疑い、正しさを確認します。

❹[前提を疑う]
結論と根拠の間にある前提についても疑ってみます。前提は時と場合によってその正しさが変わるため、いま置かれている状況や条件の中で適切かどうかを確認しましょう。このように、自分の考えを多様な視点で疑うことによって論理の矛盾や穴を特定し、補強していくのが批判的思考です。常に問い続ける思考の体力、問いへのタフネスを養っていくことが大切です。