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逆説思考

「逆説思考」とは、一般的に正しいと思われていることの「逆」を考えることで、新しい発想の切り口を探す思考法です。常識や定説にとらわれない柔軟な発想をうながすもので、「そもそも論」を問い直して真理に迫る思考ともいえます。

定説とされていることは、あくまでも過去を基準にしたものです。鵜呑みにせず、時代の変化の中でよりよくできるかどうかを検討してみることは重要です。

既存のものの見方の枠組みを脱したり、相対化して物事をとらえられる点が逆説思考のメリットです。思考に行き詰まったときやマンネリ化に悩んだときは、既存のアイデアや前提の逆を考えると何が得られるだろうかと問い、新たな視点を獲得できないか模索してみましょう。



❶[テーマを決める]:新商品の企画やマーケティング施策の立案など、新しい視点が必要な
課題をテーマに設定します。左ページの例では、新たな本の形について考えています。

❷[定説を考える]:設定したテーマについて、まずは一般的に正しいとされる定説を考えます。これは暗黙の前提を言語化するステップであり、これまでの常識や成功体験から考えられることを書き出します。

❸[逆説を考える]
定説として書き出した内容の逆を考えます。まだ誰も意識していない部分や、根本的なことに着目するほど、革新的なアイデアにつながりやすくなります。「○○なのに××」という形式を意識すると考えやすいでしょう。例えば「本屋なのに(通常は本を売るはずなのに)、本を売らない」など逆説的な切り口を設定し、そこからアイデアを考えます。

❹[アイデアを考える]
逆説を考えることで得られた視点から、テーマに活用できるアイデアを考えます。このアイデアを連結させるプロセスでは、必然的にテーマの本質を考えることになりますが、これが逆説思考のポイントです。左ページの例の場合、通常は代金を支払った後に読むのに対し、「読み終わった後に代金を支払う」という逆説を考えることで、「本とは何か」「知を共有するとはどういうことなのか」といった「そもそも論」を考え直すことができます。より深い部分から、異なる見方ができないか検討してみましょう。