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プラスサム思考

交渉や競争において、富の総和がゼロになる状態をゼロサムといいます。ゼロサムの状態では、誰かが利益を得ることによって、他の誰かが損失を被ることになります。誰かが生き残るためにほかの誰かが淘汰される、奪い合いの状況です。

一方、総和がゼロにならない状態をノンゼロサムといい、その中でも総和がプラスになる状態をプラスサムと呼びます。「プラスサム思考」とは、限られた総和を奪い合うのではなく、全体の総和を拡張することで全員が利益を得る(Win―Winになる)方法を模索する考え方です。

プラスサム思考の利点は、ゼロサム状態の場合には敵対してしまう相手と協力関係を築けることです。競争が発生した場合、日の前にある争いより1つ高いレベルで、共有できる目的や目標を生み出すことができないかを考えてみましょう。

❶[自社の目的や日標を明確にする]
実行しようとしている企画や戦略などにおいて、まず何をしようとしており、その結果として何を得ようとしているのかを明確にします。例えば自社が商店街でそば屋を経営しているなら、得ようとするのは商店街で食事をする客となります。

❷[競合を可視化する]
❶を実行するにあたり、どのような競争が起きるかを考えます。そのためには、共通の目的や目標を持つ個人。組織に注目します。商店街のそば屋の場合でいうと、同じ商店街で飲食店を経営するうどん屋や定食屋などが競合として考えられます。ここでは「商店街での食事」という市場の獲得を目指して競争している構図が存在します。

❸[総和を拡張できないか考える]
競争の目的となる対象の総和を増やす方法を考えます。例えば「商店街で食事をする人をどうやって奪うか」を考えるのではなく、「商店街で食事をする人の数をどうやって増やすか」を考えるということです。限られた富の総和を奪い合うのではなく、―緒につくり上げて分け合おうとする姿勢が重要になります。プラスサム思考の実行には、競合と同じ方を向いて目指すことのできる目的や目標の設計がカギを握ります。

❹[具体的なアイデアを考えて実行する]
具体的な行動アイデアとして、商店街の活性化イベントを共同開催して新規顧客を呼び込む、商店街のお得情報を配信するメディアを立ち上げるなどのアイデアを出し、協力して実践します。