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アブダクション(仮説形成)

「アブダクション」とは、ある事実が起きた理由を説明できる仮説を考える、という思考法です。日本語では「仮説形成」といいます。演繹的思考、帰納的思考と並ぶ第3の推論法であり、最も論理の拡張性が高い思考法として注目を浴びています。

アブダクションによる論理展開の基本形は「驚くべき事実Zに出合う」→ 「もしY(説明仮説)が真実だとすると、Zは当然のことである」→ 「よってYは真実であると考えられる」という流れです。具体例を挙げると、「りんごが木から落ちた」という事実に驚き、「地球とりんごが引き合っている(引力が存在する)」という仮説を考えるといったことです。

このようにアブダクションは飛躍的な考え方をする思考法であり、まだ誰も気づいていない理論やメカニズムに迫る「発見の思考」としての魅力を持っています。

ステップ1 [驚くべき事実に出合う]
アブダクションはまず驚くべき事実に出合うことから始まります。何気ない現象の中から「ん?」という引っかかりを逃さずつかみ取ります。日々触れ|る物事に対して「なぜそうなるのだろう?」と考える習慣を持っておくことが大切です。

ステップ2[説明仮説を立てる]
驚くべき事実が起きていることを論理的に説明できる仮説を考えます。この仮説を説明仮説と呼び、検証によって磨いていきます。例えば「店舗Aの商品がよく売れた」という事実に出合ったのであれば、「なぜ店舗Aの商品がよく売れたのか」を説明するための理論や一般論を考えます。

ステップ3[説明仮説を検証する]
演繹と帰納を用いて説明仮説を検証していきます。つまり、「説明仮説を裏づけるような他の事実を想定する(演繹)」→「想定した事実を実際に確かめ、
説明仮説と照らし合わせる(帰納)」という流れで仮説の正しさを検証します。実際に人通りの多い場所に出店してみてよく売れたなら、説明仮説は正し
いと考えられます。そうでなければ、仮説に修正を加える必要があります。